こんにゃくゼリー問題での安全の専門家の間違い - Gonzales66の日記
こんにゃくゼリー問題での安全の専門家の間違い
レバ刺し禁止「論争」に関して(リスク認知の乖離とリスクコミュニケーション) - ベムのメモ帳Z
この中では、生レバー問題との比較で「こんにゃくゼリー」の問題がとりあげられています。
こんにゃくゼリー禁止騒動の際はやや感情的な「政治主導」の色あいが目立ち、食品安全の専門家の間で禁止は行き過ぎだと反対する意見が目立ちました。
このような意見は、ネットでは圧倒的に多数意見になっているように感じます。
しかし、自分は「こんにゃくゼリー」を規制をするべきだというエントリーをいくつか書いています。
「カップ入りのこんにゃくゼリー」は「餅」よりも危険です。 - gonzales66の日記
マンナンライフが完全勝利をする日 - gonzales66の日記
ミニカップ入りのこんにゃくゼリーは販売禁止にせよ!3 - gonzales66の日記
ミニカップ入りのこんにゃくゼリーは販売禁止にせよ!2 - gonzales66の日記
ミニカップ入りこんにゃくゼリーは販売禁止にせよ!1 - gonzales66の日記
食品安全の専門家の意見
「ミニカップ入りのこんにゃくゼリー」を以前から問題にしていた専門家の代表は国民生活センターでしょう。
"脳の腫瘍や失語症に関する研究論文のコピー"
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状について(2010年)(発表情報)_国民生活センター
国民生活センターでは、一口サイズのいわゆる「ミニカップ」に入ったこんにゃく入りゼリーについて、乳幼児や高齢者の窒息事故が相次いだことから、1995年以降繰り返しテスト結果や警戒情報を公表してきた。
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる事故防止のために?消費者への警告と行政・業界への要望 (発表情報)_国民生活センター
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの安全性を検討の上、販売規制も含めた事故防止策の検討を要望する
2007年には販売規制の検討も行政に要望しています。
また2008年の事故の発生時には
国民生活センターの島野康理事は「これだけ大勢の人がなくなっている。
政府で何らかの規制、対策を考えるべき」と話している。
と報道されました。
規制に反対する安全の専門家
レバ刺し禁止「論争」に関して(リスク認知の乖離とリスクコミュニケーション) - ベムのメモ帳Z
こちらのエントリーにお邪魔をして「規制に反対する専門家を教えてください」とコメントをしましたが返事はいただけませんでした。
衝撃戦術は、広告で働く
たしかに規制に反対する専門家の方もいます。
自分が確認しているのは唐木英明氏です。
唐木氏が会長の「食の信頼向上をめざす会」のHPでは
こんにゃくゼリー事件 | 食の信頼向上をめざす会
話題になった一つの商品だけをスケープゴートにすることは、年間4000人の死者をせいぜい1、2名減らす効果があるだけで、残された多くの食品が持つ危険性を覆い隠し、総合的な安全対策を忘れさせる結果にもなりかねない。「問題のこんにゃくゼリーの対策を強化しました」という、ゼロリスクの大衆迎合がここでも行われたのだ。
と規制には批判的な意見です。
自分は、窒息事故での年間の死者数と工業製品の事故とを比較することは間違っているという意見ですが、それ以前に唐木氏の文章には間違いがあります。
唐木氏の間違い
こんにゃくゼリー事件 | 食の信頼向上をめざす会
厚生労働省の2008年の調査によると、死者は毎年4000人以上。2006年1年間の死亡事故のうち1358件を調査した結果、その原因食品と死亡者数は、多い順に、もち(168人)、パン(90人)、ご飯(89人)、すし(41人)、あめ(28人)、だんご(23人)、おかゆ(22人)などであり、その大部分は幼児と高齢者だった。ちなみに、この年のこんにゃくゼリーによる死者は2名であった。
成人の肥満とabanoment
これは
「食品による窒息の現状把握と原因分析研究【pdf】」
からのデータだと思います。
この報告書を見ればすぐに分かりますが、唐木氏が死亡者数と言っているのは間違いで、事故件数(救命された数を含む)が正しいです。
唐木氏は死亡者数を間違えるという基本的な認識違いの上で「こんにゃくゼリー」の規制に反対していたのです。
ネットでの意見の偏り
「こんにゃくゼリー」の問題で感じたのはネットでの意見の偏りです。
以前は家電のメーカーでの仕事もしていましたが、食品に限らず、日本のメーカーの安全基準からすると、これだけの危険性のある商品を流通させるのはありえないと思いました。
しかし、ネットではメーカーの実務で品質に関わりのある方の意見は皆無でした。
そして規制に反発する意見は圧倒的多数となり、「こんにゃくゼリー」で窒息死をした子どもの遺族には誹謗中傷のコメントが多く集まりました
守秘義務や炎上の恐れ等、ネットに個人で意見するのにはリスクが大きいのかとも思いますが、もっと多様な立場の人達の意見が聞きたいです。
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